サルビアブルー

病棟看護師から、美容看護師へ。

2021/02/04 晴れ

久しぶりの、外出。ナイトシアターへ。

久々の映画館は何故だか懐かしくて。

閉店後の遊園地を感じさせるような雰囲気だった。

 

 

本日の映画は、「花束みたいな恋をした」。

 

カップルでは行かない方が良いと、話題になっている映画。

ほんの少しの好奇心で、観た映画。

 

どことなく、「わたしたち」だった。

 

 

 

付き合うまでの距離の詰め方、終電のあの感じ。

セックスの頻度。

同棲の感じ、喧嘩の仕方までも。

そして、別れ方も、あの様になるのではないか。

そう予知されている気がした。凄く。

 

 

所々挟まれる、きのこ帝国やAwesome city clubの音楽たちに

何度刺されたことか。

「ベイキャンの崎山蒼志」なんて、数日前の「わたしたち」そのもので。

何故か蘇ってくる思い出たちに心苦しくなった。

 

 

夢を追いかけていたのに、現状維持を求めて就職を始めた麦くんは、

どんな思いで働いていたのだろうか。

「いつまで学生気分なの」「仕事は遊びじゃねえ」「辛くないよ、仕事だもん」

そして、「今の俺には、感じないだろうな」。

4年前に麦くんが放った優しい言葉は、4年後には絹ちゃんが発していて。

それはそれは、終わりへの拍車をかける「ことのは」になっていた。

 

改めて感じる、言葉の重みと、変化の怖さ。

 

 

 

ひとつひとつの嬉しさや楽しさで、花束が完成されるけど。

少しの違和感や少しの価値観のズレで容易に花束は崩れていくのだな、と。

一輪一輪は、凄く美しいんだけどね。

 

 

 

枯れ果てた二人には、「別れ」が迫っていて。

話し合いだけでは解決しない何か、言葉にできないあの違和感を、感じてしまった。

 

 

苦しい、じゃなくて、呆気なさ。

 

 

二人のナレーションが途中から

「彼氏」「彼女」に変化していたのも、

なんとなく、終わりの予感がした。

 

 

約5年間、楽しい思い出だけではなかったけど

苦しい思い出も全部全部含めて大切な一輪の花で。

二人とも、前に進めている。前に進める。

そう、なんとなく励まされた。

 

 

 

別れた後も3ヶ月程同棲していたけれど、

自分たちもこうなる気がして。不覚にも笑ってしまった。

あり得なくないんだもん、あり得なくないから、尚更。

 

 

 

 

わたしの大好きな作家、Fさん(「20代で得た知見」の著者)は、

この映画をみて、「足りない」と、話していた。

もっと熱々の紅茶を顔面にかけ合う様な、人格を否定するような言い合いが見たかった、とのこと。

 

確かに映画上のふたりは、熱々な紅茶を顔面にかけるでもなく、人格の否定をするのでもなく、ただ言い合いをしていた。カッとなりすぎたら、「ごめん、言い過ぎた。」と。

でも私的にはこれが本当に本当にリアルで、たまらなかった。

 

至って冷静に冷静に、無理矢理にでも冷静を装って話し合いをしてしまうんですよね。

 

恋愛に何が正解で何が不正解なのかは、全くわかりませんが。

 

本当、難しい。だから、ハマる。気がします。 

 

 

 

 

 

 

 

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花束みたいな恋をした



 

 

最後に、

きのこ帝国の「クロノスタシス」。

不意に流れてきた、あの曲。

劇場で2回も流れてきた。

クロノスタシスの解説まで。

あの曲、あの曲だけは流してほしくなかった。

自分にとって何よりの衝撃で。

忘れたいけど、忘れたくない思い出。

自分の心に秘めておきたい思い出。

私だけの音楽。ごめんね。

 

 

 

 

彼のプレイリストに、保存されていた。